7月7日20時57分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090707-00000088-mai-soci
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<小笠原諸島>世界遺産推薦へ 生物進化示す「実験室」
太平洋に浮かぶ小笠原諸島の南島(手前)と父島=2007年4月、本社機から須賀川理撮影
政府は7日、小笠原諸島(東京都)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界自然遺産の登録候補として正式推薦する方針を決めた。来年1月に申請し、11年の登録を目指す。環境省は9日の中央環境審議会に、小笠原国立公園区域の拡大など規制強化策案を諮問するなど、貴重な自然を守るための対策を強化していく。
太平洋に浮かぶ小笠原諸島の南島(手前)と父島=2007年4月、本社機から須賀川理撮影
政府は7日、小笠原諸島(東京都)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に世界自然遺産の登録候補として正式推薦する方針を決めた。来年1月に申請し、11年の登録を目指す。環境省は9日の中央環境審議会に、小笠原国立公園区域の拡大など規制強化策案を諮問するなど、貴重な自然を守るための対策を強化していく。
政府は07年1月、世界遺産登録候補を載せる「暫定リスト」に自然遺産として小笠原諸島を追加した。だが、外来種のノヤギやトカゲのグリーンアノールなどが、希少な動植物の生態を悪化させており、遺産登録を危ぶむ声が出ていた。
環境省や東京都などは外来種の駆除や保護柵の整備を進めたところ、オナガミズナギドリの繁殖が回復するなどの効果が表れてきた。
さらに対策を強化するため、現在陸域で約6400ヘクタールある国立公園区域を約190ヘクタール拡大することにした。このうち、落ち葉の採取も規制されるほど最も規制が厳しい「特別保護地区」を現行の陸域の約4割から約7割に増やす。このほか、ザトウクジラなどが生息する沖合5キロ圏内を、海域の国立公園区域に編入。海域の公園面積を従来の4倍の約10万ヘクタールに広げる計画だ。
現在の世界遺産は国内外で890件。登録件数の増加に伴い管理が手薄になったり存在感が失われるとの懸念から、ユネスコの審査は厳しくなっている。
環境省は「新規登録のハードルは高くなっている。だが、希少種が多く生息し、生物の進化を示す生きた実験室と言える小笠原の価値は世界に通用する」と話す。【下桐実雅子】
【ことば】小笠原諸島
東京から約1000キロ南に位置し、南北400キロにわたり大小約30の島々が並ぶ。父島と母島に約2500人が暮らす。推薦区域は約7500ヘクタール。海洋島で固有の動植物が多く、昆虫の26%が固有種だ。オガサワラオオコウモリやクロアシアホウドリなど国際的な希少種57種が生息し、東洋のガラパゴスと称されている。




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